局の道楽日記 2ndステージ

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さくらにまつわる記憶 もう一つ

土曜日、ムスコの幼稚園の時の母友と朝ラインをしていた。ワタシのパート先のブラック会社でずっと正社員をしていたが、一昨年辞めた女性。
16年前にご主人を癌でなくし、母子家庭でがんばって子供たちを一人前にした女性である。
ご主人は the B型といった感じのマイペースだけど、面倒見がよくてダンディで子煩悩なよきパパだった。

ワタシは土曜日は断捨離デイで衣替えだの部屋の掃除だのする予定だったのだが、夕方からお互い時間があったので、久しぶりに会おうかって話になった。
場所は亡きパパと住んでいた駅のパパが好きだったスナック。
ワタシもオットも一緒に四人で飲んだこともあるし、ランチタイムに子供たちも連れて行ったこともある。

先についた彼女から
「もう、駅についたとたんに色々フラッシュバックで涙出るよ」とライン
「そんなところで泣くな! いま行くからさ」とワタシ

彼女の子供たちとの小学校パパ友でもあるマスターが
「久しぶりだねえ」と出迎えてくれた。

時間より前に開けてくれたので三人でしゃべっていた。

彼はいわゆる見える人。小さい時からいわゆる霊感が強くて、色々なものが見えたり聞こえたりする人らしい。









たまにはこんなカジュアルワイン飲みながらってのも気軽でいいもんですね。何食べても平均以上においしくて安い。

途中、犬の散歩の途中のムスメが

「Mちゃんママがいるならちょっと寄るね」と犬をスナックの脇につないて参加。

電車で帰宅途中のオットが

「Mちゃんママと一緒なら俺も寄るよ」と家にご飯があるよと言ったけど、参加。

ちょっと早めの酒盛りをしていたら、ドアが開いて、下がっているドアベルがチリンとなる気配がした。

「ん?」誰 と思ったが誰も入ってこない。風かもねとスルーしてまたも話していると

「明日パパの命日なんだ」と友人

「あ、そうだったよね、ホスピスに桜が満開だった」とワタシ

「お葬式の会場も桜があったよね。花びらが舞ってたの覚えてる」とムスメ

「Mちゃん一家とキャンプに行ったことあったなあ 福井の海岸だったな」とオット

「ワタシ、小学校入試の時に、。Mちゃんパパに車で送ってもらったんだよね」とムスメ

そうだった・・・ 11月1日の午前中に第一志望校、午後に滑り止めと、急げばギリギリ二校とも受けられるスケジュールとなったムスメ
「そんなことなら俺が送るよ」と運転の腕に覚えがあるパパが、都心の抜け道を駆使してムスメとワタシを送り届けてくれたのだった。

「受かった時も自分ちの子みたいに喜んでくれたよね」

「家の車買い替える時も、ついてきてくれたよね」

「そうそう、自分が買い替えるみたいにねえ、好きだったからね、車」

「自分の大きい車にみんな載せて色々遊びに連れてってくれたよね、なんだったっけ?あの車」と言うと

エスティマ!」と料理を作りながらのマスターが加わる

図らずもパパの思い出を語る会になった飲み会。16年もたっていると泣き虫な彼女も話しながら涙ぐむほどじゃなく、ひたすら懐かしそうに話していた。

マスターが
「Kさん いるみたいだよ、ほらさっきのドア」と・・・w

「やだ~」などと笑っていたが、解散してうちに帰ってからの彼女からのライン

「局ちゃん、今日は〇ちゃん(ムスメ)も〇〇さん(オット)も一緒にパパの話をしてくれてありがとう。ホント楽しかった。
パパも一緒に飲みたかったんだね。途中でドアが開いたのは絶対パパです」

桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる! と日本の作家は言った。



ワタシは桜吹雪と一緒に死者の魂が地上に舞い降りてくる気がする。
J子さんを思い出したのも、パパを思い出したのも然り…

死者は私たちが思い出す度に死者の国で目覚める、と、ベルギーの劇作家も言った。

パパに「彼女はまっとうに真面目に生きてますよ。色々大変な時もあったけど、みんなに心配されて好かれてるから心配しないでね」と告げてあげよう。